Penny Slinger
February 14March 21, 2015

ブラム・アンド・ポー 東京では2月14日 (土)より、ペニー・スリンガー展を開催致します。本展は、当ギャラリーでは2度目、国内では初の作家の展覧会となります。

スリンガーは、1970年代よりエロティシズム、神秘主義、フェミニズムといったつながりを探求し、数多くのコラージュ作品を発表してきました。夢や神話といった世界に深く影響されてきた彼女は、 女神としての女性、欲望の対象としての女性、母としての女性といった多様な女性像を象徴的に作品に用いながら、女性がどう見られているか、そして彼女自身が自分をどう見ているのかといった追求を行ってきました。彼女の創作テーマは、潜在意識の世界を表現したシュールレアリスム的なものから、「タントラ哲学」とそれが内包する超意識といった概念にまで及んでいます。

1977年に出版された作品集より展示される「An Exorcism」は、イギリスの田舎町の古びたゴシック調の廃墟を舞台とした、スリンガー自身が撮影を行い、そして自らも被写体となったモノクロのフォト・モンタージュ及びフォト・コラージュ作品のシリーズです。スリンガーにとってこの廃墟は、「家父長的権威」のシンボルであり、 作品中に現れる不可解な構図やイメージ は 「二元論的な制約と他者の投影から『自己』を解放する」という自らの精神分析の記録でもあると、彼女は述べています。また1978年に制作されたタントラ秘法と聖なる女性性への賞賛を描いた「Mountain Ecstasy」は、古代エジプト、セクシャル、オカルティック、といったイメージを融合させたカラー・フォト・コラージュ作品のシリーズです。この作品群を通して、スリンガーは「何の制約も拘束もない、ただ解放と自由のみが存在するサイケデリックな色彩の夢の中に入りこむ喜び」と自身が表現する世界観を構築しています。

彼女のコラージュ作品における「世界のあらゆる部分から、そして多くの異文化から集められた」イメージの多様性は、イギリスに生まれ、ロサンゼルスに住み、東洋思想に長年傾倒してきた彼女のクロスカルチュラルな性格を反映するものでもあります。また、カルト的な人気を誇ってきた彼女の独特の作品世界は、制作当初から数十年経った現在でもその強度を失うことなく、多くの作家たちに影響を与え続けています。

ペニー・スリンガーは、1969年にチェルシー・カレッジ・オブ・アーツ(ロンドン)を卒業。これまでに数多くの書籍を出版。「History is Now: 7 Artists Take On Britain」(2015年、ロンドン・ヘイワードギャラリー)「Lips Painted Red」(2013年、ノルウェー・トロンハイム美術館)、「The Dark Monarch」(2009年、イギリス・テート・セント・アイヴス)、「Angels of Anarchy」(2009年、マンチェスター市立美術館) 、「Surrealism Unlimited 1968-1978」(1978年、ロンドン・カムデンアーツセンター) 、第12回サンパウロビエンナーレ (1973年)、「Young and Fantastic」(1969年、ロンドン・ICA)といった国際的なグループ展にも多数参加しています。